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漢文の入力の仕方【初級編】(フィールドコード)

さて、もう一つの漢文入力の方法です。

この方法は、「漢文エディタ」に匹敵するくらい、教科書に匹敵するくらい、の美しさを目指した方法です。

その分、少し手間がかかります。

 

・手軽さ

・見た目のきれいさ★★★

て感じかな。

 

そこまで…という場合は、前回の「漢文の入力の仕方【基礎編】」をご参照ください。

 

では、まいります。

ルビ設定のフィールドコードを編集する

フィールドコードとは何ぞや?」

と思う方もいるかもしれません。

ルビを付けた時、見た目はある文字にルビがついていますが、PCの頭の中では、こむつかしい記号や文字で、ルビが付いている文字であることを認識しているのです。

 

たとえば、「吾輩は猫である」の「猫」に「ねこ」とルビをつけてみます。

 

f:id:nokibano:20160122235108j:plain

 

ちなみに、漢文入力など、ルビを多用する時は、「ルビの設定」も「ショートカットキーの割り当て」を設定するとラクチンです。

私は[Ctrl]+[r]に割り当てています。ルビの「r」です。覚えやすいので。

 

さて、この文を選択してみると、ルビがついている「猫(ねこ)」だけグレーがかっているのがわかるかと思います。

f:id:nokibano:20160122235312j:plain

これが、「フィールドが挿入されている」ということなんです。

さて、この

フィールド部分を選択し、[Shift]+[F9]キーを押す

 

f:id:nokibano:20160122235911j:plain

↑この状態で[Shift]+[F9]を押します。

もしくは、カーソルを合わせてグレーがかっている状態で[Shift]+[F9]を押すのでも可能です。

 

すると、なんということでしょう(某、家が変身する番組)。

f:id:nokibano:20160123000504j:left「猫(ねこ)」の部分がながーーーーーくなりました(某地方銀行)。

こういうことを書いています。

{EQ \* jc2 \* "Font:MS 明朝" \* hps10 \o\ad(\s\up 9(ねこ),猫)}

半角の「¥」半角逆スラッシュ「\」に表示されることもありますが、同じ意味です。

 

この文字や記号をフィールドコードといいます。

ややこしいので、今回は細かい説明は省略します。

とりあえず、PCの中では、ルビはこんなふうに認識しているってことがわかれば、今はOKです。

詳しい説明はいずれします。

 

で、これが、漢文入力の時の何に役に立つか、ということです。

 

まず、漢文をきれいに表示することを考えると、

  • ふりがな・送り仮名=ルビ
  • 返り点=下付の文字

 というルールで入力します。

ふりがな・送り仮名に関しては、ルビの配置は「左揃え」に統一するといいかと思います。

  f:id:nokibano:20160123010711j:plain f:id:nokibano:20160123010546j:plain

 ふりがながある場合は、普通に「左揃え」に、

送り仮名しかない場合は、1文字全角スペースを空けて、「左揃え」にするのがオススメです。

※ただし、「臨ミ」のように、送り仮名が一字しかない場合は、スペースを入れず、「右揃え」にしても似たように表示されます。

 

 ただ、こうやってルビを入れると、送り仮名が二字以上で、返り点がある場合、↓の「懲」のようになってしまいます。

f:id:nokibano:20160123011520j:plain

レ点が妙に離れていて、何だか変。

(気にしない場合は、このままでもOKですが、授業プリントやテスト問題用紙など、生徒に配布する時はちょっと気になる。)

※ちなみに、ふりがなの「こ」は半角スペースを入れた後に入力しています。

 

そこで活躍するのが、「フィールドコード」ーーー(某ねずみを怖がるロボット)。

1. 「懲」のフィールドコードを表示

2. 「懲」の下に「レ」を入力し、下付きにする。

f:id:nokibano:20160123012605j:left f:id:nokibano:20160123012947j:left要は、「レ点」を中に入れます。

すると、こうなります。↓

f:id:nokibano:20160123013410j:plain

 あとは、漢字同士のスペースをちょうどいい感じに空けてください。

スペース自体のフォントサイズを変えると、微小な調整もできます。

 

こういうふうに、送り仮名=ルビ、返り点=下付にすると、下のように、「行尽」にハイフンをつけることができます(「二点」に傍線(アンダーライン)をつけただけです)。

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これだけなら一手間で、割と簡単にできるので、使ってみてくださいね。

 

ちなみに、ルビをつけるのが結構な手間ですが、まだ早くできるかな、という方法としては、

1. 白文(返り点なし)を入力する。

上の例「勧善懲悪」なら、レ点なしで「勧善懲悪」と入力する。

 

2. 入力した白文を全選択して、ルビ設定をする。

あまり長すぎる文だと余計大変かもしれないので、5~6字が限度かも。

 

3. 配置:「右揃え」を選択し、「文字単位」を押す。

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どちらを先に押しても大丈夫です。

ルビ設定のダイアログボックスを開くと、「勧善懲悪」という「文字列全体」でルビを設定するようになっている状態です。

これを、文字単位(一文字ずつ)ルビを設定する形式に変えます。

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4. ルビの部分に、ふりがなや送り仮名を入力する。

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これ、マウスで一つ一つ入力ボックスをクリックしなくてもいいですよー。

隣の入力ボックスに移動するには、[TAB]キーを押せばOKです。

 

[TAB]キーも結構重宝するキーです。

他の場合でも、入力ボックスを移動するときには使ってみてくださいね。

(例えば、ログイン画面のログインIDとパスワードを入力するときなんかも…ね。こないだ知らない人見かけてびっくりしました。)

 

5. OKを押し、あとは返り点を入力したり、文字間隔を調整したりする。

ちょっと手間だとは思うけど、美しさには変えられない形式の場合は、ありがたい存在です。

まだまだWordさん自体に改善してほしいところはありますが…。

 

このフィールドコードを使っていろんな漢文訓読文が入力できるようになります。

まずは、初級編としてお伝えしました。

 

nokibano.hateblo.jp

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