タテがきOffice ―For 日本文学研究者・国語の先生

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漢文の入力の仕方【中級編】(送り仮名が長い時)

漢文入力について、少しレベルアップです。

漢文の送り仮名が長いときの編集についてお伝えします。

 

今回は、以下の漢文を例に挙げます。

「三年無改於父之道、可謂孝矣。」

(三年父の道を改むること無きを、孝と謂ふべし。)

この「改むること」の所、長いです。

しかも、「改」に「あらた」とふりがなまで打とうとすると、さらに長いことに。

 

今までの方法で入力すると、以下のようになります。

     f:id:nokibano:20160312004906j:plain

問題ないといえばないですが、「改むること」の所が妙に長くて、ちょっと不格好な気もします。

今回は、ここを2つの方法で修正してみたいと思います。

 

なお、フィールドの使い方については、【初級編】【応用編】をご確認ください。

【応用編】には、フィールドコードの説明を掲載しています。

nokibano.hateblo.jp

 

〈方法1〉ルビの文字幅を狭くする

これは、今までの知識でできるかと思います。

 

1. 「改」の部分のフィールドを選択し、[Shift]+[F9]を押す。

  f:id:nokibano:20160312005500j:plain 

※上の写真は、漢文のフォントサイズを14ptにしているので、少し数字が異なります。

 

2. ルビ部分「あらたムルコト」を選択し、文字幅の倍率を変える

[ホーム]タブ→「段落」内の「拡張書式」「文字の拡大/縮小」→倍率を選択

以下は、試しに「90%」に選択してみます。

  f:id:nokibano:20160312010325j:plain 

もしくは、

[ホーム]タブ[フォント]のダイアログボックスを開く→[詳細設定]タブ「文字幅と間隔」の倍率を変更

f:id:nokibano:20160312011138j:plain

 

3. [Shift]+[F9]を押し、フィールドを閉じる

  f:id:nokibano:20160312010647j:plain

ちょっと狭くなります。

文字幅の倍率を変更するほかに、「文字の均等割り付け」「文字間隔を狭くする」などの方法でも、狭くすることができます。

 

〈方法2〉ルビを2行にする

↓のように、ルビを2行にすることもできます。

   f:id:nokibano:20160312012022j:plain

フィールド内には、以下のように入力します。

※「逆スラッシュ(\)」になっている部分は、半角の「¥」と同じです。

 

{EQ \o\al(\s\up 17(あらた), \s\up 10(  ムルコト),改二)}

f:id:nokibano:20160312012729j:plain

  • フォントサイズは、手動で変更します。(いつものルビのフィールドコードのように、フォント設定の要素(「jc3 \* "Font:MS 明朝" \* hps14」などのような要素)を入れると、情報が多すぎて(?)エラーになります。)
  • デフォルトでは、漢文など通常の文字の1/2が、ルビのフォントサイズです。
  • 「EQ」の後、「up」の後には半角スペースを1つ入力しています。
  • 「ムルコト」の前は、半角スペース2つ入力していますが、「あらた」とのバランスを考えてスペースを加えればOKです。
  • 「17」と「10」は、文字からの距離を意味しています。バランスを見ながら、適当に調整してください。

このフィールドコードの入力の仕方は二つあります。

1) いったんルビを設定して編集(これまでと同じ)

  1. ルビを一度設定
  2. [Shift]+[F9]でフィールドを開く
  3. フィールドを編集

 

2) フィールドを手入力する

  1. [Ctrl]+[F9]を押す
  2. フィールドが出現し、{ }の中にフィールドコードを入力
  3. [Shift]+[F9]を押し、フィールドを閉じる

※フィールドが出現すると、カーソルの前後に半角スペースが空いていますが、

スペースをなくして入力してください。

f:id:nokibano:20160312003351j:plain

フィールドを手入力するのは、ちょっと面倒ではありますが、知っておくと便利です。

ぜひ、教科書のような漢文を目指して☆

 

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